オフィスの掃除、どのくらいの頻度が適当かご存知ですか?
従業員が行う清掃の頻度を低くすると、本来業務に充てる時間が増えるという利点があります。清掃業者に委託している場合は清掃頻度を低くすると利用料金が下がるという利点があります。しかし、そのために掃除の回数を減らしすぎると、オフィスをきれいで清潔に保つことができなくなります。それは、従業員のためにも、お客様のためにもマイナスになり、ひいては会社の不利益にもつながります。
そうならないために、効果的な頻度で会社の掃除ルールを作ってはどうでしょう?
今回は、多くのオフィス清掃に関わってきた清掃会社の視点から「オフィスの効果的な掃除頻度」について、場所別に解説します。
オフィス内で従業員がもっとも長い時間を過ごすのは事務所内です。従業員が気持ちよく働けるためには、事務所は常に清潔で快適に保ちたいですね。そのためにはどのくらいの頻度で掃除をするのが効果的でしょうか。掃除の種類によって、その頻度は異なりますが、定期的に行うことが大切です。
次に挙げる掃除はできるだけ毎日、少なくとも週数回行いましょう。たとえば清掃会社に週2回の掃除を頼んでいるという場合、それ以外の日も目立つ汚れがあれば従業員でさっと掃除しておくと効果的です。
・デスク周りの整理整頓
毎日帰宅時には各自デスクの上を片付けるようにしましょう。デスクの上には何もない状態にすることをルールとしている会社もあります。書類の紛失やノートパソコンの破損などを防ぐことができるだけでなく、社員が次の日気持ちよく仕事を始められる効果もあります。また拭き掃除もしやすくなります。
・デスクの拭き掃除
デスクの汚れはホコリだけではありません。ペンのインクがついてしまったり、コーヒーのしずくが落ちてしまったりということもありますよね。そのままにしていると、汚れが書類に付着する危険があります。毎日使うデスクは、できれば毎日拭き掃除をしましょう。朝始業前にするのが効果的です。
・床の掃除機がけ
土足の事務所は人の出入りに伴い土や砂が入り込みます。土足ではない事務所も、衣服の糸くずや髪の毛、書類の破片やホッチキスの針など、事務所の床には様々なものが落ちています。掃除機がけは毎日するのが理想ですが、少なくとも週数回は行いましょう。
毎日終業後にロボット掃除機をセットするという会社もあります。この方法だと、仕事の妨げにならず、従業員の手を煩わせることなく毎日掃除をすることができます。
・フローリングの床のモップがけ
水拭きのできる床であれば、週数回はモップがけをしましょう。掃除機はゴミやホコリを取り除くことはできますが、汚れは取り除くことができません。拭き掃除をしないと床が黒ずむ原因となります。黒ずみがひどくなってから、業者に機械洗浄を依頼するという方法もありますが、普段から掃除していれば機械洗浄の頻度を低くすることができ、経費削減になります。
毎日掃除していても落としきれない蓄積汚れは、数ヶ月に1回~年数回定期的に掃除をすることできれいにできます。また、毎日掃除が必要なほど汚れはしないけれど、時々は掃除をしなければならない箇所もあります。事務所内で、数ヶ月に1回~年数回必要な掃除は次のようなものです。
・床のカーペットの洗浄
カーペット敷きの床は普段水拭きができません。掃除機だけでは中に入り込んだホコリをすべて取り除くのはなかなか難しく、また汚れやシミは落とせません。溜まった汚れは、カーペットを洗浄することできれいになります。カーペットの洗浄は自分たちで行うのは難しく、業者に頼んでいる会社が多いです。費用を抑えるためには回数を減らしたいですが、あまり間隔が開きすぎると汚れが落ちにくくなります。汚れの程度にもよりますが、少なくとも半年に1度は行いましょう。
・フローリングの機械洗浄
フローリングの床は、普段からモップがけをしていても、落としきれない汚れの蓄積は避けられません。2~3ヶ月に1回、清掃業者に機械洗浄をしてもらうことをおすすめします。ただし、普段の掃除をしっかりしていれば汚れは最小限に抑えられ、機械洗浄の頻度を低くすることができます。
・フローリングのワックスがけ
フローリングの床はワックスを塗っておくことで床材の傷みや汚れを防ぐことができます。ワックスは、人が歩いたり、オフィス家具を動かしたりする時にはがれたり傷がついたりすることがあるため、よく使う場所で1~2ヶ月に1回、あまり使わないところで3~6ヶ月に1回程度の塗り直しが必要です。床に小石や砂が落ちていると傷がつきやすくなるため、普段の掃除で砂などを取り除いていれば傷がつくのを抑えられます。傷やはがれを最小限に抑えてワックスの塗り直しの頻度を下げるためには、普段の掃除が大切です。
このように、定期的な大掃除の頻度は、普段の掃除をしっかりすることで下げることができます。
オフィスでは、エアコンの掃除も必要です。エアコン掃除には、フィルター掃除と分解洗浄の2種類あります。清掃頻度はそれぞれ異なります。
・エアコンのフィルター掃除
エアコンについているフィルターを外して掃除します。水洗いをしたり、掃除機でホコリを吸い取ったりという作業です。エアコンの使用頻度にもよりますが、2週間~1ヶ月に1度の掃除をおすすめします。フィルターの目詰まりすると、エアコンの効きが悪くなり、電力の消費が大きくなり、さらにはエアコン本体の故障を引き起こす危険もあります。こまめにフィルターを掃除しておくことで、本格的な掃除の頻度を下げることができます。
・エアコン本体の分解洗浄
フィルター掃除をしていても、エアコン内部にもホコリやカビは発生します。内部は分解して洗浄するのですが、この作業は専門家に任せる必要があります。素人が行うと事故や故障の原因となりますのでやめましょう。オフィスの環境やエアコンの使用頻度にもよりますが、ほぼ毎日使うオフィスでは1~2年に1回程度の分解洗浄が効果的です。日頃の掃除がなかなかできない場合は分解洗浄の頻度を高くし、半年に1回などよく使用する時期に合わせて綺麗にしておくのがおすすめです。
オフィスの清掃においては、トイレ掃除も重要です。トイレは従業員が毎日使用します。
・便器の洗浄
・床のモップがけ
・洗面台の水滴の拭き取り
などは、なるべく毎日行いたい掃除です。少なくとも週2、3回は必ず掃除をしましょう。
そのほか、年数回、専門的な配管清掃もしておくと、悪臭や配管の詰まりを予防できます。配管が詰まってしまったら大掛かりな清掃や修理が必要になるため、定期的に配管清掃をしましょう。月1回など日頃から専用洗剤などで対策しておくことも、専門的な配管清掃の回数を減らせるためおすすめです。
従業員の手間や費用を考えると、オフィスの掃除の頻度は低く抑えたいですが、掃除の回数を減らしすぎると掃除の効果までもが低くなってしまいます。効果的なオフィス清掃にするために、掃除の頻度を見直してみませんか。
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