オフィスを移転するときは、手続きなどしなくてはならないことがたくさんあります。そんな中で忘れられがちなのが、移転後のオフィスで行う日常清掃の準備です。
「退去時の掃除は手配したけれど、新しいオフィスの掃除は引っ越しが済んでから考えよう」と後回しにされることも多いです。けれど、せっかくの新しいオフィス。新築のオフィスならもちろんのこと、そうでなくても、前の入居者の退去後にはクリーニングが入ってきれいになっていることがほとんどです。きれいな状態をできるだけ保つには、移転後少しでも早く日常清掃をスタートすることが大切です。そのためにも、オフィスの移転を決めたら、ほかの手続き同様、移転後のオフィスの清掃の準備も忘れずに始めましょう。
移転後のオフィス清掃をスムーズに始めるためには、移転前から準備を始める必要があります。オフィスの移転が決まったら、同時に移転後のオフィス清掃の準備も始めましょう。移転前にしておくべき準備について、流れに沿って説明します。
まず確認しなくてはいけないのは、移転先のオフィス清掃を自分たちで準備する必要があるかどうかです。オフィス形態などにより、大きく次の3つにわけられます。
・すべての清掃を自社で準備する
自社ビルなど、自社で建物すべてを管理している場合は、清掃も自社で準備する必要があります。賃貸オフィスでも、管理をすべて任されている場合は同様です。
・一部の清掃を自社で準備する
テナントビルの一室・ワンフロアを借りている場合、事務所内は自社で清掃を準備する必要があるけれど、廊下・トイレなどの共用部分は管理会社が行ってくれる場合があります。1棟まるごと借りている賃貸オフィスの場合も、貸主が外回りなどの清掃を手配してくれることがあります。
・自社で準備することは何もない
ビル管理会社など貸主側が、共用部分だけでなくオフィス内の清掃も手配してくれる場合があります。その場合は、自分たちで準備するべきことは何もありません。
「自社で準備することは何もない」場合を除き、自社で清掃の準備をスタートしましょう。
移転後のオフィス清掃を自社で準備する場合、清掃を誰が行うかを決めましょう。それによって必要な手続きなどが変わってきます。 主な選択肢は次の3つ。
・従業員で清掃する
・清掃スタッフを自社雇用する
・清掃会社にオフィス清掃を外注する
今までのオフィスと同じやり方を選ぶこともできますし、移転を機に別のやり方に変えることもできます。3つの選択肢はそれぞれにメリット・デメリットがあるので、ご自身の会社にもっとも適したものを選びましょう。
【参考コラム】
▶ オフィス清掃を清掃会社に外注するメリット ~清掃スタッフの自社雇用と比較して~
▶ オフィス清掃を清掃会社に外注するメリット ~従業員で行う清掃と比較して~
移転後のオフィス清掃を誰が行うか決まれば、そのために準備することは何かを確認しましょう。移転前の清掃方法を継続する場合も、新たに準備が必要な場合があります。確認するべきポイントはこちら。
◎従業員による清掃
《移転前も従業員が清掃していた場合》
・今までと清掃箇所に変更はあるのか
・新たに揃えるべき掃除道具はあるのか
《移転後に従業員による清掃に変更する場合》
・それまで雇っていた清掃スタッフや外注していた清掃会社との契約終了に必要な手続きはあるか
・掃除道具を準備する必要はあるのか
◎清掃スタッフを自社雇用
《移転前も清掃スタッフを自社雇用していた場合》
・今までのスタッフに継続して来てもらえるのか
・継続して来てもらえるなら、交通費や通勤方法に変更はないか
・新たなスタッフを雇う必要があるのか
《移転後に清掃スタッフの自社雇用に変更する場合》
・新規採用に向けて、どのように求人活動を行うか
・勤務時間や給与など募集要項をどのような内容にするか
◎清掃業者に外注
《移転前から清掃業者に外注していた場合》
・今までと同じ清掃会社に来てもらえるのか
・清掃箇所や清掃内容に変更はあるのか
《移転後に清掃業者への外注に変更する場合》
・清掃業者に依頼したい清掃内容は何か
・どのくらい予算を組むのか
・清掃業者をどのように決めるのか
ここまでの確認を終えたら、実際に準備や手続きを始めます。移転が近づくと、忙しくなって清掃のことは後回しにしがちなので、早めにできることは済ませておきましょう。そうすれば、移転直後から清掃をスムーズにスタートできますよ。
また、新規雇用や新規契約などは手続きに時間がかかる場合があります。清掃スタッフや清掃会社がすぐに決まらないこともあります。できるだけ早めに準備を始めることをおすすめします。
◎従業員による清掃
・必要な掃除道具を準備する
・当番や清掃箇所の割り振りを決めておく
・清掃のマニュアルを作る
◎清掃スタッフの自社雇用
・清掃スタッフの求人→採用の手続きをする
・必要な掃除道具を準備する
・雇用した清掃スタッフの事前教育を行う(就業規則・入社の心構え・清掃箇所や手順の説明など)
◎清掃会社への外注
・清掃会社に問い合わせをして、見積もりをもらう
※できれば現場を見て見積もりをしてもらう
引っ越し前でそれが不可能な場合は、図面などを用いて相談する
・清掃会社が決まれば細かい打ち合わせをする
・掃除道具など自社で用意するべきものがあれば準備する
このように移転前にしっかりと準備をしておけば、新しいオフィスでの清掃はスムーズにスタートできるはずです。しかし、新しい環境ではいろいろと問題が生じることもあるでしょう。実際に清掃がスタートしてからの注意点を以下にまとめてみました。
◎従業員がオフィス清掃を行う場合
移転直後は従業員もばたばたしていて、掃除が後回しになったりおろそかになりがちです。しかし、汚れがひどくなってからの清掃は大変になるので、はじめからきっちり清掃を習慣づけることが大切です。前もって決めておいた当番や割り振りをもとに、個々が責任を持って掃除をする環境を作りましょう。
◎清掃スタッフを自社雇用する場合
新規雇用した清掃スタッフはもちろん、以前から継続してきてくれる清掃スタッフでも、初めての場所ではわからないことが出てきます。担当者はほかの業務も多く忙しいとは思いますが、清掃スタッフの質問や相談を後回しにせず、きちんと耳を傾けてください。そうでないと、わからないまま適当に放置することになったり、清掃スタッフが不安・不満を抱えてしまいます。それにより退職してしまうスタッフも出るかもしれません。
◎清掃会社に外部委託する場合
清掃内容などに疑問や話の行き違いがあると感じたら、早めに清掃会社の担当者に相談してください。お互いに不信感を抱くことにならないよう、その都度解決しましょう。
オフィスを移転するときには、移転後のオフィス清掃の準備は後回しにされがちです。しかし、新しいオフィスをきれいに保つためには、移転後すぐに清掃をスタートさせることが大切です。移転前からしっかりと準備をして、移転先オフィスでの清掃をスムーズにスタートさせませんか。
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