一般的にオフィスで働く人たちは年間150時間もの時間を探し物に費やしていると言われています。
探し物に費やす時間はオフィスの環境に左右され、清掃が行き届いていなくて雑然としたオフィスでは150時間では済まないかもしれません。逆に整理整頓されていてどこに何があるか一目瞭然で、探し物をすることはほとんどないオフィスもあるでしょう。
物を探すという生産性のないことに時間を使うなんてもったいないですよね。社員1人1人の大切な時間を探し物に奪われないため、オフィス清掃を見直してみませんか?探し物に費やす無駄な時間を減らすカギはオフィス清掃にあるのです。
先ほど、一般的に年間150時間ほどの時間を探し物に費やしていると書きましたが、社員1人が1年間にどれくらいの時間を探し物に費やしているか、数字で見ていきましょう。
年間稼働日数250日の会社の例
・探し物に費やす時間が1日1時間の場合
1時間×250日=250時間/年
・探し物に費やす時間が1日30分の場合
0.5時間×250日=125時間/年
・探し物に費やす時間が1日15分の場合
0.25時間×250日=62.5時間/年
1日に1時間探し物に時間を費やしている場合と、15分費やしている場合とでは、1年間に187.5時間も差が出ます。社員1人1人にこれだけの差があるのですから、会社全体で考えると相当な時間になってしまいます。この差はとても大きいですね。
この時間の違いは何が要因でしょうか?それはオフィスの環境です。不要な物が多く片付いていない環境では、物を探すのに多くの時間を要します。反対に整理整頓されていてどこに何があるか一目瞭然なオフィスでは、物を探さなくてはいけない事態はあまり生じません。オフィス清掃は探し物に費やす時間に大きな影響を与えるのです。
探し物に時間を費やしてしまったために、会社にとって良くない結果を招いてしまったという話は少なくありません。いくつか事例を挙げてみましょう。
例1:遅刻してお客様の信用を失い、売買契約が結べなかった
13時に見積書を持ってお客様を訪問する約束だった。見積書は前もって作成し、12時半に会社を出れば十分間に合うはずだった。しかし、作成した見積書がほかの書類に埋もれてしまっていてなかなか見つからず、ようやく見つかったのは12時50分。それから急いで向かったが、13時には間に合わず、お客様にご迷惑をおかけしてしまった。それが原因でお客様の信用を失い、売買契約に至ることができなかった。
例2:試作品なしでプレゼンしたため、イメージが伝わらず上手くいかなかった
試作品を作って会議でプレゼンする予定だった。試作品の製作に掛かる時間を逆算して作り始めたが、必要なパーツが見当たらず、それを探すのに時間がかかってしまい、会議までに試作品が完成しなかった。実物なしでのプレゼンとなってしまったため、上手くイメージが伝わらずプレゼンは失敗に終わった。
例3:探し物で業務時間が足りず、残業する社員が増えて人件費がかさむ
書類が整理されていないので、何かの書類が必要になるたびにそれを探すことに時間を要する。文房具も使った後に片付ける習慣がなく放置されていることが多いため、必要な時に探さなくてはならない。1回1回は5分程度だが、毎回のことなので1日トータルすると1時間近くになる。こうした探し物に無駄な時間を要するために定時までに業務が終わらず残業する社員が多く、人件費がかさんでしまう。
上に挙げた事例は、もしもオフィスが整理整頓されていたら防げたかもしれません。清掃が行き届き整理整頓されたオフィスをイメージしてみてください。不要なものは処分されていて無駄なものがないので、必要なものを見つけやすいですね。書類は種類別、日付別などに分類保管されているため、必要な書類がどこにあるかすぐに見つけられます。そしてオフィス内のあらゆる物はそれぞれ置き場所が決まっていて、常にあるべき場所に収納されているので、必要なものが必要な時すぐ手に取れます。清掃によって整理整頓されたオフィスでは、物を探すことに多くの時間をかけなくてもすぐに見つかるのです。
上記1~3の事例について、オフィスが整理整頓されていたらどうなっていたか検証してみましょう。
例1:遅刻してお客様の信用を失い、売買契約が結べなかった
机の上がきれいに整頓されていたら、必要な見積書が他の書類と混在してしまうことはありませんでした。出かける直前でもサッと取り出せ、それを持って予定通りに会社を出て余裕をもってお客様を訪問することができたのです。その結果お客様の信用を損ねることなく商談ができたでしょう。
例2:試作品なしでプレゼンしたため、イメージが伝わらず上手くいかなかった
あらゆる物があるべき場所に収納されているオフィスだったら、試作品を作るのに必要なパーツはすべて簡単に集められ、逆算して導いた時間内に完成させることができました。そして試作品を持って臨んだ会議では、実際に試作品を手に取って見てもらいながらプレゼンを行うことで具体的なイメージを提示することができたはずです。それはプレゼンの成功に繋がったでしょう。
例3:探し物で業務時間が足りず、残業する社員が増えて人件費がかさむ
書類が分類保管されていたら必要な書類がすぐに見つかりますし、文房具などがきちんと片付けられていたら必要な時にすぐに手に取ることができ、仕事が順調に進みます。探し物にかかる無駄な時間を削減することが残業時間の短縮につながり、残業代が削減できたはずです。
物が散乱していて探し物に毎日45分を費やしていたオフィスでも、オフィス清掃を徹底することでその時間を1日15分に減らすことが可能です。1日30分の短縮です。1日30分つまり年間125時間探し物の時間を短縮できたとしたら、その125時間で何ができるでしょうか。
◎お客様と1回1時間の商談が125件行える→契約件数が増える
125件も商談件数を増やせたら、そのうち数件は成約につながり、契約件数を伸ばすことができます。
◎新商品の開発や既存の商品の改善に費やす時間を125時間増やせる→新商品やサービスが生まれたり、既存の商品が改善できる
会社の発展のためには新商品や新しいサービスを生み出したり、既存の商品をより良いものに改善していく必要があります。オフィス清掃によって浮いた125時間をそれらに充てることができたら、時間をかけてよく考えることができるため、新商品も既存の商品もより良いものにすることができます。
◎1人あたりの残業時間が125時間減る→残業代が削減できる→経費を有効活用できる
仮に時給1000円とした場合、
1000円×125時間=125,000円削減できることになります。
社員100人の企業の場合、
125,000円×100人=12,500,000円もの削減ができるのです。
それだけあれば新しいコピー機を導入したり、最新のPCに入れ替えたり、社員の福利厚生のためにコーヒーサーバーやスナックコーナーを用意することもできます。会社のために有効なお金の使い方はいくらでも考えられますね。
このように、探し物に費やす時間を削減することで会社にはいいことがたくさんあります。そのためにはオフィス清掃が大きな役割を果たしているのです。オフィス清掃によって無駄な時間を減らし、会社に良い影響を与えてみませんか?
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