電子化が進むオフィスですが、まだまだ多くの会社では会議や研修の時にホワイトボードが大活躍しています。サッと書けてサッと消せるホワイトボードは、予定を書き込んだりメモをするのにもとても便利です。しかし長く使っていると、書いたものがイレイザーでこすっても消えにくくなったり、表面が黒ずんでしまったりするのが悩みですよね。
なぜこうなってしまうのでしょう?原因がわかれば予防の対策もできますし、その汚れを落とす掃除の仕方もわかります。ここでは、ホワイトボードの汚れが落ちにくくなる原因と予防対策、それに清掃方法について解説します。
そもそもホワイトボードに専用マーカーで書いた文字が、イレイザーでこするだけで簡単に消えるのはなぜでしょう。ホワイトボードと専用マーカーの仕組みについて簡単に説明します。
ホワイトボードの表面はホーローやアクリル・ウレタン樹脂で塗装されていてツルツルしています。そしてホワイトボード専用マーカーと普通のサインペンとの違いは、『剥離剤』というものが含まれていることです。この剥離剤がホワイトボードのツルツルした表面に貼りつきます。
インクはホワイトボードに直接付着するのではなく、この剥離剤の膜の上に乗っています(図のような層になります)。そしてイレイザーでこすると剥離剤とインクが一緒に拭き取られ、きれいに消せる仕組みです。
このように簡単に消せるはずの文字が、イレイザーでこすってもなかなか消えなくなってしまうのはなぜでしょう。それにはいくつかの原因が考えられます。
●専用マーカーではないペンを使用した
ホワイトボード専用マーカーではなく油性ペンなどを使って書いた文字は、イレイザーで拭いても消えません。先ほど説明したとおり、専用マーカーには剥離剤が含まれているためイレイザーで消すことができます。しかし剥離剤の含まれていないペンで書いてしまうと、インクが直接ホワイトボードの表面に付着してしまい消すことができません。
予防策:必ずホワイトボード専用マーカーを使用する
●専用マーカーが経年劣化していた
専用マーカーでも、時間の経過とともに成分が変化してしまうことがあります。キャップがきちんとしまっていないと乾燥して剥離剤が本来の力を発揮できません。またマーカーを立てて保管していると、インクの成分が下にたまってしまい成分のバランスが崩れることがあります。これもまた剥離剤の効果を軽減することに繋がります。
予防策:古くなったマーカーは使用しない
マーカーはキャップをしっかりしめて横向きに置く
●書いてすぐに消した
ホワイトボードに書いてすぐはまだ専用マーカーの剥離剤がしっかりと効果を発揮していません。そのため、この時点でイレイザーでこするとインクの汚れをホワイトボードの表面に塗り広げてしまうことになります。
予防策:書き損じた文字を消す場合も、数秒置いてから消す
●書いてから長時間放置していた
逆に書いてから時間が経ちすぎても消えにくくなります。これは、時間経過とともに剥離剤が揮発して、インクが直接ホワイトボードに付着してしまうのが原因です。
予防策:長時間放置せずに消す
●表面のコーティングが薄くなった
長期使用していると、何度も書いて消してを繰り返したり、水拭きやアルコール溶剤を使用することで、ホワイトボード表面のコーティングが剥がれて薄くなってきます。ツルツルのコーティングが剥がれてしまうと細かな傷や溝にインクが入り込んで、イレイザーでは落としにくくなります。
予防策:水拭きやアルコール溶剤による掃除の頻度を減らす
●表面に傷がついていた
汚れのこびりついたイレイザーを使用すると、その固まった汚れでホワイトボード表面に傷をつけてしまいます。また、ホワイトボード表面に付着したごみをイレイザーでこすることでも傷がつきます。この傷にインクが入り込むと、イレイザーでこすっても消えない汚れになるのです。
予防策:汚れたり劣化したイレイザーを使用しない
ハンディモップなどで表面のごみを取り除く
●表面が皮脂やほこりで汚れていた
ホワイトボードについた皮脂やほこりとマーカーのインクが混ざって乾燥してしまうと、イレイザーでは落としにくい汚れとなってしまいます。
予防策:時々乾拭きや水拭きで汚れを取り除く
●イレイザーが汚れていた
イレイザーに汚れが溜まっていると、消す力が低下します。
また先にも書いたとおり、汚れがこびりついて固まったイレイザーはホワイトボードに傷をつける危険があり、その傷にインクが入り込むと落としにくくなります。
予防策:劣化したイレイザーは使用しない
イレイザーの汚れを取り除いておく
予防対策をしっかりとしていれば、ホワイトボードの汚れが落ちなくなる危険は軽減されるはずです。それでも経年劣化などでどうしても汚れが残ってしまうことはあります。そうした汚れに効果的なホワイトボードの清掃方法をいくつかご紹介します。
〇ホワイトボードを水拭きする
簡単な汚れなら、固く絞った布で水拭きをすれば落とせます。水拭きした後は乾拭きをしてしっかりと水分を取り除いておきましょう。水分が残っているとホワイトボード表面のコーティングを傷める原因になります。また、水拭き自体がホワイトボード表面のコーティングを傷める可能性があるので、あまり頻繁に行うことはおすすめしません。毎日の掃除は乾拭きだけにとどめ、水拭きは1~数ヶ月に1回にしておきましょう。
水拭きをするときは、強くこすったりメラミンスポンジなどを使用しないでください汚れと一緒にコーティングを剥がしたり表面に傷をつけることがあります。
〇ホワイトボードをアルコール・エタノールや除光液で拭く
水拭きでも落ちない頑固な汚れや、油性ペンの汚れはアルコール・エタノールや除光液をしみこませた布で拭くときれいになります。しかし、水拭き以上にホワイトボード表面のコーティングを傷める危険があるため、エタノールを水で薄めたり、アルコール濃度の低いものを使うなどの工夫をしてください。また頻繁に行うことは避けましょう。
※使用時は、先に目立たない端のほうで試して問題ないことを確認してください。
〇市販の専用クリーナーを使う
専用クリーナーも市販されているので、それを使うのも良いですね。
〇イレイザーの手入れ
イレイザーにはいくつかの種類があります。表面を取り換え可能なイレイザーは定期的に新しいものに取り替えてください。クリーニングが可能なイレイザーは水洗いします。頑固な汚れには中性洗剤を使うと有効ですが、中性洗剤を使用した場合は洗剤が残らないようにしっかりと水ですすいでください。洗った後はしっかりと乾かしましょう。
また、イレイザーは100円ショップなどでも購入できます。消耗品と割り切って汚れたら買い替えるというのも1つの方法です。
〇市販のホワイトボードコーティング剤を使う
ホワイトボードのコーティングを再生させることができるコーティング剤が市販されています。長期の使用や水拭き・アルコールを使用しての掃除で剥がれてしまったコーティングは、これを使って復活させることができます。
ホワイトボードが汚れる原因と予防対策、汚れてしまった時の清掃方法について説明してきました。汚れてしまってもうダメかな?と思ったホワイトボードも、一度この方法で清掃してみてください。見違えるように綺麗になるかもしれません。
普段の使用や掃除で予防対策をし、大掃除の時などにしっかりと清掃していけば、ホワイトボードの寿命はぐっと長くなりますよ。
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